昔から映画が大好きで、高校生の頃は、毎週日曜日ごとに映画館に通う日々を過ごしていました。その頃、ある映画がとても話題になっていました。それはスティーブン・スピルバーグ監督の「ET]です。映画雑誌その他で何度も取り上げられましたが、肝心の「ET」の姿は映画公開まで一切ベールに隠されていました。スティーブン・スピルバーグ監督の大ファンだったわたしは、早く「ET」が見たくてしかたがありませんでした。しかし、感動は映画館だけで味わいたいと、「ET]に関する一切の情報をシャットアウトして、公開の時を待ったのです。そういう意味では、「ET」の姿が非公開だったのはありがたいことでした。そして、ついに映画が公開されたとき、予想を超えた感動に、しばし立ち尽くしてしまいました。これまで宇宙人が出てくる映画は、たいてい人間とは敵対関係にある存在として描かれていました。それをスピルバーグ監督は、敵ではなく、友達として描きました。「ET」を守ろうとする純粋な子どもたち。それを追いかける大人たち。そして、追い詰められたとき、自転車が空にすっと浮き上がり、ジョン・ウィリアムズの感動的なメロディーが大音量で流れます。もう鳥肌がたつほど感動しました。最後のほうで、「ET」を追いかける大人たちが、実は敵ではなく、彼らも、子どものころからずっと「ET]を探してきたんだというセリフに、ジ?ンとしました。このような純粋な感動を、もう一度味わいたいものです。
レピッシュについて書きます。先日,メインコンポーザーであり,キーボード奏者であった上田現氏が亡くなられまして,心よりご冥福をお祈り申し上げます。20年近く前にヒットしていたバンドなので,レピッシュの名前はご存じない方もいらっしゃることでしょうが,上田現氏の名前にピンときた方もいらっしゃるかと。「ワダツミの木」で大ヒットしたのは元ちとせさんですが,この曲を書き,そして元ちとせさんをプロデュースしていたのが上田現氏です。ワダツミの木には感動した方も多いと思います。もちろん,元ちとせさんの100年に一度といわれるあの美声も感動を呼ぶ大事な要素なのですが,楽曲の完成度も大きかったと思うのです。レピッシュも,あれと同じとは言いませんが,リズム運びとかメロディーラインが似ている曲も多くあり,20年前のそれがしはそこにはまってしまったんです。当時のインディーズロックって,社会の歯車にはなりたくないとか,そんな感じのものが多かったんですが,彼らは違いました。人生観や生き方を解こうとはしないんです。ブルーハーツがそういうものをストレートに投げてくるバンドだとしたら,レピッシュは子供の頃の気持ちとか,物語とか,そういうものを訴えてくるんです。それが,ワダツミのような曲だったり,時には激し目のロックだったりするんです。そして彼らの最大の特徴は,金管楽器を多用しているところ。ロックといえばギターにベースにドラムス,あとキーボードがいるかどうかという時代にあって,これはものすごく新鮮でした。